私はこちらの記事で、「彼女いない歴=年齢」の婚活男子にオススメのラブコメを紹介しています。
今回は、「彼女いない歴=年齢」の婚活男子にオススメできないラブコメを紹介したいと思います。
純粋なエンターテイメントとして楽しむだけならいいのですが、歪んだ女性観や妄想を増殖させて、肝心の婚活をこじらせる可能性があるラブコメとはどんなものなのか?
以下に紹介するものを読んでみたい人は、十分に気を付けて下さいね。
わたし、二番目の彼女でいいから。
現実の女性は、「わたし、二番目の彼女でいいから。」なんて言いません。
しかし、このラノベではヒロインにあり得ないセリフを言わせています。
一対一の男女関係ではなく、三人以上の男女関係であるがゆえに生じる歪み。
主人公の男子は背徳感に悩まされながらも、複数の美少女(表紙)と関係を持ち、誘惑と性欲に流されてしまいます。
不健全で、倫理に反し、だれも幸せにならない男女関係。
当然、ヒロインたちは精神的に不安定となり、嫉妬に狂い始めます。
「わたし、二番目の彼女でいいから。」というセリフはあくまで妥協の産物。
マッチングアプリでヤリモクを楽しめるサイコパス男性なら、この状況を楽しめるのでしょうが、まともな感覚を持った男なら眉をひそめるはずです。
このラノベの中では、主人公男子がこれだけモテモテな理由は明確に記されていません。
だから、モテ男になるための参考にはなりませんね。
でも、複数の美少女と同時並行で付き合いイチャイチャする設定は、なかなか刺激的です。
非日常的なものをたまには覗いてみたい人は、読んでも良いと思います。
カノジョの妹とキスをした。
通称「いもキス」。
双子の美少女姉妹の間で揺れ動く男子高校生の姿が痛ましいラノベ。
この姉妹は、両親の離婚で一度生き別れになります。
主人公男子は姉と付き合い出してようやく手を繋げるようになった時、親の再婚で妹と一つ屋根の下で二人暮らしをすることになるという羨ましい状況。
妹と言っても義理の妹だから、血のつながりはない。
しかも可愛くてグラマーな義妹がちょっかいを出してくるものだから、理性を働かせるにも限界がある。
そして、とうとうディープなキスを交わしたりする関係になってしまうのです。
正式な彼女である姉の方が昭和的な貞操観念をもっているため、実質、お預け状態であることも影響しています。
外では姉と交際しつつ、家では妹と一線を踏み越えてしまう・・・
こんなこと姉には知られてなならないし、離れて暮らす両親にも言えない関係。
羨ましいというか、痛ましいというか・・・
「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」に代表されるような甘々ラブコメが好みの人には向かないかもしれません。
でも、たまには不純愛ラブコメを楽しんでみたい人はトライしてみて下さい。
放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ
放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ (ファミ通文庫)
不幸な生まれと生い立ちを持った男子高校生が、三人の美少女(しかも年上)とタダならぬ関係(?)を持ってしまうラブコメ(三巻で完結)。
主人公の男の子は、まだまだ未熟で自分に自信がありませんが、なぜか年上の美女と縁があり、日常的に複雑な交流をしていきます。
登下校で、図書室で、自宅で、デートで、美女たちからアプローチを受ける主人公男子。
年上美女たちに振り回されているようでいて、逆に振り回しているような印象も受けます。
学生時代、女性とまるで縁がなかった私からすれば羨ましい限りのハーレム設定。
でも自分に自信がなく、積極的にアプローチすることもできない男子がどうしてモテるのでしょうか?
「あり得ないだろ!」というのが正直な感想ですが、それがラブコメラノベのいいところでもあります。
確かに、自信のない奥手男子に「夢」を与えるという目的は達成されているでしょう。
でも現実は違います。
実際、婚活の現実は厳しい。
とくに、恋愛未経験の男子は、未熟な自分と対峙し自分を変えることでしか成功を掴めません。
多くの人が現実を見ることすら出来ずに諦めていきます。
そんな厳しい婚活の合間、ちょっとした息抜きとして非現実的な甘い世界を楽しみたい人は読んでみて下さいね。
佐伯さんと、ひとつ屋根の下
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I’ll have Sherbet! 1 (ファミ通文庫)
前述の「放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ」と同じ作者のラノベです。
こちらは、チョット訳ありの陰キャ気味男子の主人公が、一つ年下の美少女と初対面でいきなり同居生活を始めるというお話です。
表紙の美少女(佐伯さん)から猛烈なアプローチを受ける理由はよく分かりません。
まあ、読んでいると相性が良いことは伝わってきます。
佐伯さんとの同居生活(二人でルームシェア)では、下記のような天国が実現しています。
- 主人公の弓月恭嗣(ゆみづきゆきつぐ)は一人暮らしするつもりだったが、不動産屋の手違いで佐伯さんという美少女と同棲することになった。
- 佐伯さんは自分に対し愛想が良く、時には嫉妬もしてくる。
- 佐伯さんは料理を含めて、家事を率先してやってくれる。
- 朝は、佐伯さんが起こしに来てくれる。
- 佐伯さんと同じ学校に通い、学校でもちょくちょく話をする。
- 佐伯さんはバスタオル一枚の姿を見せてくれる。
- 佐伯さんは、「水着を着て一緒にお風呂に入ろう」という冗談を言ってくれる。
- 佐伯さんはデートに誘ってくれるし、手を繋いでくれる。
- 佐伯さんは、水着や下着の買い物につき合わせる。
正に、男の願望をすべて詰め込んだラノベといえます。
でもこれは、あまりに都合の良すぎる作り話です。
現実世界で婚活している非モテ男子は、こんな幸運が舞い降りてくるなどとは夢にも思わないで下さいね。
幼なじみが絶対に負けないラブコメ
「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」、通称「おさまけ」は、ハーレム要素の強い非日常系ドタバタ喜劇です。
3人の美少女が、一人の男の子を巡ってヒロインレース(奪い合い)を繰り広げるラブコメ。
芸能界の事情も絡ませて、ダイナミックで刺激的なストーリーにしているので、読み物としては面白いです。
コメディ要素が強いので楽しいのですが、残念ながら、恋愛面での納得感は乏しい。
最初から3人の美女に求愛され、追いかけられているのですから、ご都合主義の印象は拭えません。
設定が非現実的過ぎて、共感を得にくいというのが正直な感想です。
どうすれば女性からモテるのかという学びも得にくいでしょう。
確かに男子側からすれば、女性の方からアプローチしてくれる状況は楽ですが、現実ではそんなことはあり得ません。
受け身で人見知りで奥手の男子は、このラノベのようなハーレムを期待することなく、一人の女性を惚れさせるための地道な努力をして欲しいと思います。
痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった
痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった (GA文庫)
主人公の高森諒は、ボッチで陰キャ気味の男子。
ラノベの一巻では、疎遠だった美少女幼馴染(表紙:伏見姫奈)と徐々に仲良くなっていく様が描かれています。
そして巻を追うごとに、主人公男子「高森諒」がたくさんの美少女に囲まれるハーレムが出来上がっていきます。具体的には・・
- 女優の卵ともいえる幼馴染の少女二人(伏見姫奈+姫嶋 藍)
- 同じボッチ属性で一緒にいることが多い鳥越静香
- 三日間だけ「恋人」をやっていたという「元カノ」篠原美南
- 登場人物の中で一番女子力が高い妹の高森茉菜
この中で、少なくとも3人の女の子たちから熱烈なアプローチを受けているにもかかわらず、高森諒は誰とも仲を深めようとしない。
ハーレムという羨ましい状況で、優柔不断な態度を取り続ける高森諒。
この主人公男子には空気を読まないという特技がありますが、それ以外に特筆すべきことはない。
男子の友達も少ない。
イケメンではないし、愛想が良いわけでもない。
まあ、いざという時に痴漢から女の子を助けるという行動力はありますが、正直言ってハーレムの主に値するほどの男なのかどうか、疑問は拭えませんでした。
美少女に囲まれて生活するという、一般の男の子にとっての理想(妄想)を体現したラノベであることは確かです。
主人公男子に自分を当てはめてニヤニヤしたい人にはオススメ。
どうぞ楽しみながら読んでみて下さいね。
まとめ:
今回紹介したラブコメ系ラノベは、どれも読み物としては面白く、刺激的でもあります。
現実の恋愛や結婚がどんなものか分かっている人が娯楽として読む分には問題ないと思います。
しかし、「彼女いない歴=年齢」の男子がどっぷりハマると妄想を膨らませる危険があります。
男子側にとって都合の良すぎる設定や展開は、現実から目を背けさせる原因になり得ます。
弱い自分を見つめて、失敗した原因を直視しない限り、新しい素敵な出逢いは生まれません。
魅力的なラノベの世界にも、意外な落とし穴があることに気付いてくだされば幸いです。
参考:
「彼女いない歴=年齢」の婚活男子にオススメのラブコメは、こちらの記事でどうぞ。
以上