みみみは「弱キャラ友崎くん」の人気ヒロイン
2021年1月からアニメもスタートした「弱キャラ友崎くん」。
私はアニメをきっかけとしてラノベを読み始め、その面白さにすっかりハマってしまいました。
陰キャでボッチの主人公:友崎文也が、メインヒロインの一人である日南葵の指導の元、キャラ改造を行い、交友関係を広げて彼女も作ってしまうというお話です。
詳細な心理描写やモテるための的確な指導などが満載であり、モテなくて困っている全国の男子に是非ともお勧めしたいラノベです。
「弱キャラ友崎くん」では5人のメインヒロインが登場します。
そのなかで断トツの人気を誇るのが七海みなみ。
通称、みみみです。
あまりの人気ぶりに押され、スピンオフのコミックも発売されました。
七海みなみは輝きたい 弱キャラ友崎くん外伝(1) (サンデーGXコミックス)
いつも明るく元気。
可愛くてスタイル抜群。
長い青髪をポニーテールにしているのも素敵。
文武両道で友達も多く、差別や陰口とは無縁で思いやりに溢れる。
みみみ押しが多くなるのは当然だと言えましょう。
みみみはエニアグラムのタイプ9に相当:
「弱キャラ友崎くん」のメインキャラクターは、実在の人物並みにしっかりした心理描写がなされています。
私が知る限り、性格のタイプを表現するのに最も役立つのはエニアグラムだと思います。
そのエニアグラムに当てはめると、みみみはタイプ9に当てはまると思います。
(エニアグラム関する詳細は、こちらの記事を参照してください)
性格のタイプ9:調停者(Peace Maker)の概略は下記の通り。
・根源的恐れ:他人から離れること
・根源的欲求:他人との結びつきを見つけること
・健全な自己感覚:「私は平和主義で、気楽な人間である」
・隠された不満:「私はこのままの状態で満足しているのに、他人は皆、いつも私に変化を強いる」
・固有の誘惑:人の言いなりになり過ぎること
・固有の短所:怠惰なこと(無精で、腰が重く、周りの世界になかなか適切に反応しない)
・固有の長所:辛抱強さ(他人が自分のやり方で成長するのを見守る)
次項目で、もう少し詳しく見ていきましょう。
タイプ9を裏付けるみみみの行動:
1)控えめで、周りに順応し、他人に同調しすぎる。
他人と意見が食い違うときは自分が折れて場を収める。ラノベの1巻で、みみみは自分の性格をこう表現しています。争いや問題の発生を極度に嫌うため、妥協が癖になっているのでしょう。
誰よりも平和を愛するみみみは空気を読むのが上手く、それゆえ、ムードメーカーとしての役割を果たせています。
2)従順で人当たりが良く融和的
誰とも上手く付き合えるのがみみみの良さです。ラノベの1巻で陰キャの友崎文也君と一緒に帰るときも、抜群のコミュ力のうまさを発揮し気まずくならないように配慮しています。
本音をぶちまけるたまちゃんがクラスの中で孤立しないようにフォローするなど、面倒見の良さも特筆もの。根が優しいのすね。
3)自分の意志ではなく、他人の期待を通して生きる
空気を読みすぎるあまり、自分の意見を脇に置いて他人に合わせてしまうみみみ。他人の期待に添うように振舞えば表面的な平和は確保できるでしょう。しかしそれでは、自分ではなく他人の人生を生きていることになってしまいます。自分というものがなく、空虚感に悩まされるみみみ。自分のことをキラキラしていないとか、空っぽという言い方をしていることに悩みが表れています。
その空虚感を埋めるために勉強や部活を頑張りますが、日南葵がいるため、どうしても一番にはなれない。一番になれば空虚感が無くなるわけではありませんが、健気に頑張る姿はとても印象的でした(ラノベ2巻)。
4)問題発生時は、自然に消え去るまで時間稼ぎをする
たまちゃんが紺野エリカの継続的な嫌がらせに遭い、エリカと口論を続けた結果、クラスで孤立気味になる場面がラノベの5巻で描かれていました。みみみは友人としてたまちゃんを支えますが、対症療法的な時間稼ぎ以上のことは出来ませんでした。問題発生時に、根本原因を突き止めて対処するのはタイプ9が不得手とすることです。
(クラスに溶け込みにくい問題は、友崎文也君が中心となりたまちゃんの変化を助けることで大きく前進しました)
5)現実を直視せず、自分の見たくないものには気づかなくなる。
ラノベの巻が進むにつれ、みみみの友崎文也君に対する恋心が大きくなっていきます。6巻の最後でとうとう告白しましたが、それまでは自分の気持ちを素直に認めることができませんでした。友崎文也君が、菊池風香さんや他の女子と仲良くしている様子を目の当たりにしてモヤモヤし、追い詰められてようやく重い腰を上げたのです。「どんなことをしても心の平和を保ちたい」と願うみみみにしては画期的なことでしょう。
現実や自分と対峙することを避ける怠惰な傾向は、タイプ9によく見られます。
6)判断力に乏しく、怠慢と空頼みという罪を犯す
日南葵に勝ちたいという動機から、生徒会長選挙に立候補したみみみ。下馬評では日南葵が圧倒的に有利な状況。一方、みみみ自身には生徒会長になってこうしたいという目的も熱意もないし、もちろん当選する当てもない。軽率で怠慢で行き当たりばったりという印象を拭えません。
友崎文也君がブレーン(=選挙参謀)としてサポートしてくれたからいいものの、もし助けが無かったら惨憺たる有様になっていたことでしょう。
みみみ押しが多い理由:
空気を読み、出しゃばらず、自己犠牲的で、誰よりも平和を望むみみみ。
美人で優しくて明るいムードメーカー。
当然、人間であるが故に弱みを抱えています。
しかし、人間関係を大切にするという姿勢が根本にあるため、みんなから好かれやすい性格だと言えましょう。
また、みみみは友崎文也君に告白しましたが、恋愛の4条件をすべて満たしています。
1)自分に性感情があることを認められる
友崎君の前ではスマートに振舞えず、好きという本音が露わになってしまう。
2)憧れの人物像に合致している
自分にはない友崎文也君の能力を尊敬している。
3)心を許し合えること(母子的一体感)
損得勘定なしに、相手のためになることを出来る。友崎くんと菊池さんの恋愛をサポートしてしまうなど、優しすぎる・・
4)自分を相手に開示できる
友崎君とは飾らずに本音で話せる。日南葵と水沢君の間では本音のやり取りがないのとは対照的。
みみみが1)~4)の条件を満たしていながら、友崎文也君が菊池風香さんを選んだのはなぜか?
理由は主に二つ。
- 菊池風香さんとは将来のことや生き方を話せる仲である(精神レベルが合っている)。
- 菊池風香さんと一緒にいると、何もしゃべらなくても心地く感じる(相性がバッチリ)。
確かにみみみと友崎君の相性は悪くありませんが、菊池風香さんほどではないと思います。
「みみみが可哀そうだ!」というファンの声も多いですが、これは仕方がないことでしょう。
ラノベ「弱キャラ友崎くん」におけるみみみの今後は?
友崎文也君と菊池風香さんは学校でも公認のカップルとなったので、今後みみみが彼女の座を奪うのは難しいでしょう。
たまちゃんも良い方向に自分を変え、交友関係を広げられるようになったので、みみみの保護者としてのポジションも無くなりました。
ラノベの今後は、日南葵が自分の魔性と対峙して、いかに自分を変えられるかというところが焦点になるかもしれません。
日南葵のことが好きな水沢君も自分を変える必要性を感じており、目が離せません。
若者が自分を見つめ自分を変えていくプロセスを詳細に描いているのが「弱キャラ友崎くん」の大きな特徴です。
みみみもメインヒロインの一人として何らかの変化を見せる可能性が大だと思います。
もちろん、具体的なストーリーは予測できません。
でも、みみみ自身が「友崎やたまがどんどん変わっているのに、私は何も変わってない」と思っていますので、変わりたいという願望はあるのです。
人間は固有の弱点や恐れを克服し不慣れなことに挑戦し続ければ、自分を変えられます。
ムードメーカーと評されるみみみの今後に注目したいと思います。
以上