演距離カノジョの比奈森さん クラスメイトの彼氏役はじめました (富士見ファンタジア文庫)
あらすじ
主人公の鳴瀬了介(なるせりょうすけ)は役者志望の高校二年生男子。
メインヒロインの比奈森優衣(ひなもりゆい)は鳴瀬のクラスメートであり、訳あって彼氏役を必要としている女子高生。
二人はひょんな偶然から、高校生カップルとして振舞うことを目的とした仕事に就きます。
その名も派遣カップル。
所属はとある芸能事務所。
クライエントの要望に応えて指定の場所に赴き、カップルとしてイチャイチャ振舞うというサクラのお仕事です。
派遣カップルとしての仕事をこなすうちに、二人の関係に微妙な変化が生じ・・・?
果たして鳴瀬了介は役者としてチャンスを掴むことが出来るのか?
ヒロインの比奈森が、彼氏役の男子を必要としている理由とは?
疑似カップルから本当のカップルに変化するラブコメ展開はあるのか?
2021年6月に第一巻が発売されました。
恋愛は形から入るのもあり?
日常生活の中で自然に出会い、無理せず自然に振舞って、いつの間にか惹かれ合い・・という展開が恋愛の王道なのかもしれません。
しかし、逆に形から入るのもアリだと思います。
髪型や服装を爽やかにして、トーンを意識して愛想を良くし、仕草をスマートにすることで周囲の好意的な反応を引き出せれば、それだけで自信が付きます。
その行動を習慣化すれば、いつの間にか性格が変わり運命が変わるということも珍しくないのです。
「演距離カノジョの比奈森さん」でも、彼氏彼女役を演じるという形から入っています。
一応、芸能事務所での研修があるので、彼氏彼女らしい振る舞いをみっちり仕込まれ、それから現場に派遣されるという設定です。
らしく振舞ってもお互いの相性が悪ければどうしようもないですが、このラノベではお互いに惹かれあっていく様子が描かれています。
ビジネスパートナーから恋人に変わる関係?
「演距離カノジョの比奈森さん」で登場するカップル派遣という仕事は、立派なビジネス。
彼氏彼女を演じる主人公とヒロインは、最初はビジネスパートナーでした。
恋人のフリはあくまで仕事でしたが、お互いの境遇を知り、様々なトラブルを乗り越えるうちに恋心が育まれていきます。
相手を思いやり、尊敬し、相手のために行動する。
つまり、恋愛という名の心の交流が始まったのです。
第一巻の最後の方では、恋人のフリなのか本気なのかよくわからないドキドキ描写がされています。
参考記事:
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相手が自分を好きか?息抜きの相手か?:5種類の男女関係を解説する
仮面をかぶる人は恋愛できない
恋愛を成立させる条件の一つとして、自分の素を出すというのがあります。
仮面をかぶって、周囲の期待に沿うような良い人を演じているうちは他人です。
ヒロインの比奈森さんは学校でも仮面をかぶり、仮面の精度を上げるために日夜研究を重ねてきました。
社会生活を営む上で多少の仮面は必要ですが、恋愛では邪魔になるだけ。
派遣カップルとして彼氏彼女のフリをするなら仮面は有効な武器でしたが、自分の素を見せることに抵抗があるため本当の恋愛をする資格がないと感じていたのです。
良い仮面をかぶるに至った背景や経緯が「演距離カノジョの比奈森さん」の中で述べられていますが、今後ヒロインがこの課題にどう対応するか気になるところです。
参考記事:
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恋愛心理学の簡単講義:恋愛の条件と効果について
「演距離カノジョの比奈森さん」まとめ
高校生同士のカップルを描いた「演距離カノジョの比奈森さん」。
しかし学園を舞台にしたラブコメとは異なり、芸能事務所での仕事がメインとなります。
サブキャラたちもクラスメートではなく、職場の上司・先輩や家族が主です。
一風変わった設定なので新鮮さを感じました。
彼氏彼女という恋人関係とは何なのか、どうすれば恋人関係を実現できるのか、色々と考えさせられるラノベです。
興味がある人は是非とも読んでみて下さいね。
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