結婚だけが幸せじゃない?
若い頃から普通にモテて、日常生活の中で自然に恋人が出来て、その人と自然に結婚できるような人は少数派です。
多くの人はモテない部類に属しますから、いわゆる婚活をする羽目になります(私もそうでした)。
婚活がスムーズに行ってすぐに相手が見るかるケースは稀です。
そういうひとは、元々モテ体質を持ってる人で、運悪く出逢いが無かっただけなのです。
一般に、婚活は難航するものです。
利用者の意識が低いせいもあって、結婚相談所の成婚率も低いと聞きます。
多くの人が婚活で挫折し、悩みます。
自分自身の中に原因を探して改善する努力を積み重ねられる人は少なく、出来ない言い訳を探すのが普通です。
そんな時に「結婚だけが幸せじゃない」というセリフも脳裏をよぎります。
この記事では、「結婚だけが幸せじゃない」という言葉の意味を少し掘り下げて考えてみたいと思います。
幸せの定義:
幸せという言葉はとても曖昧なものです。
それゆえ、歴史上の思想家たちは様々な定義をしてきました。
大昔の哲学者の中には、「理性に従い欲望を制御してどんなことがあっても動じない状態」が幸福だと言った人がいるそうです。
「静かな心の平安、あらゆる苦痛と混乱を免れた精神の安定した境地のことである」なんて定義した人も・・・
国富論で有名なアダム・スミス(イギリス)は、次のように述べました。
「幸福は、平静と享楽にある。平静なしには享楽はありえないし、完全な平静があるところでは、どんなものごとでもそれを楽しむことが出来る」
「健康で負債がなく、良心にやましいところのない人に対して何を付け加えることが出来ようか」
また、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました。
マズローによると、人の欲はある段階を達成すれば更なる高い段階を基準とするために「絶対的幸福というものは存在しない」そうです。
新宮秀夫氏は、「幸福とは満足、安心、豊かさなど人の願うことの中そのものにあるのではなく、それを得ようとしたり持続させようとする緊張感の中に幸福がある」としています。
まあ、ゴチャゴチャ書きましたが、一言でいえば、幸福とは「心が満ち足りていること」だと考えていいでしょう。
幸福を感じるための条件:
幸福とは次の4つから得られると言われます。
①人に愛されること
②人に褒められること
③人の役に立つこと
④人に必要とされること
①は、親子、兄弟姉妹、夫婦、恋人関係、友人関係などから得られます。
②~④は、仕事をすることで得られます。
仕事とは、職場、地域社会、家庭内、学校内など様々なところで行うことができます。金銭的報酬が全てではありません。
日本では、障がい者を幼少の時から専用施設に隔離して差別する政策が一般的ですが、「保護」されている障がい者に仕事をさせようとしません。
これがいかに残酷なことか分かりますね。
また、理論物理学者のアインシュタインは、「人間が生きる目的は何ですか?」と質問されたとき、「世の為、人のために貢献することです」と答えたそうです。
人が幸福を感じるための手段は、至る所にありそうですね。
結婚しないと幸せになれないわけじゃない:
「結婚しないと幸せになれない」とか「生涯独身者は不幸」というのは間違いです。
生涯を奉仕活動に捧げたマザーテレサは、結婚をしませんでしたが、その葬儀には全世界から100万人以上の人が訪れました。
彼女が人類に対してどれだけ大きな貢献をしたか想像できます。
マザーテレサが創立した「神の愛の宣教者会」の目的は、「飢えた人、裸の人、家のない人、体の不自由な人、病気の人、必要とされることのないすべての人、愛されていない人、誰からも世話されない人のために働く」ことでした。
1979年に受けたノーベル平和賞の授賞式で、「私のための晩餐会は不要です。その費用はどうか貧しい人々のためにお使い下さい」と要望しました。
また、インタビューの中で「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか?」と尋ねられた時の答えは、「家に帰って家族を愛してあげて下さい」でした。
生涯独身だったマザーテレサは、幸福を得る次の4条件をすべて満たしていたはずです。
①人に愛されること
②人に褒められること
③人の役に立つこと
④人に必要とされること
結婚すれば幸せになれる訳でもない:
日本での一年間の婚姻数は約63万組ですが、離婚したカップルは22万組です(2015年度)。
つまり、離婚率は35%なのです。
離婚はツラいです。身も心もボロボロになることも珍しくありません。
不幸のどん底です。愛されるどころか逆に憎まれ、無能感・無力感を味わうことになります。
法的な離婚に至らなくても実質的な家庭内別居だったり、ズルズルと中途半端な状態を続けざるを得ない場合もあります。
生き地獄を味わうくらいなら、きちんと離婚できた方がマシですね。
つまり、結婚すれば幸せになれるという訳ではないのです。
「他人のことに関心を持たない者は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗は、そういう人たちの間から生まれる。」
(心理学者:アルフレッド・アドラー)
結婚は幸せになるための一つの手段である:
親に言われたから、周りがしてるからという受け身の理由で、婚活を始めた人は多いと思います。
婚活をしながら、結婚の目的は何かを考えてもOKだと思います。
お金目的の結婚詐欺士でもない限り、やはり、みんな幸せになりたいんですよね?
①人に愛されること
②人に褒められること
③人の役に立つこと
④人に必要とされること
これら幸福の4条件を家庭内で満たすことができる結婚という制度は、やはり有力な手段の一つと言えます。
有力な手段の一つです。すべてではありません。
前述のとおり、結婚以外にも幸せになる手段はありますから、結婚してない人を「負け組」などと中傷してはいけません。
まとめ:
この記事を読んでいる人の中には、婚活を頑張っている人も多いと思います。
相思相愛で人生を共にできそうな候補者がなかなか見つからず、時間ばかりが経過すると焦ってきます。
思ったよりも大変だと実感し、疲れてくることもあります。
精神的にも行き詰って、「結婚だけが幸せじゃない」と自分に言い訳することもあるでしょう。
別に結婚しなければいけない決まりはありませんが、一度志したことを中途半端にあきらめるのは良くありません。
「あれも試しておけばよかった・・」などと後悔すると気持ち的に地獄を味わうことになりますから、とにかくベストを尽くしましょう。
あきらめない限り失敗はないのです。
この記事が、「自分にとっての幸福」を考えるきっかけになれば幸いです。
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